MBAを取得し、外資系を含む11社で結果を出してきたとされる理央周さんの「結果を出す」ことにこだわった仕事術の本です。
過去に「MBA万能論」を実務で叩きのめされたという話から、その経験を踏まえた上でMBAのフレームワークを実践する方法などに言及されているため、単なる手法の解説書よりも実践的です。
著者のここに共感!
結果を出すのは何のためか?という問いに対し、著者の理央周さんが言いたいことは次の2点だと思います。
・結果が出れば仕事は楽しくなる。
・最速で結果を出せば、私生活も充実した人生を満喫できる。
この考え方は私のモットーである「タスク管理で人に優しく」にも通じます。何のために方法論やフレームワークを学び、実践するのか?その目的を常に忘れないようにしたいですね。
それでは本書のエッセンスを少し紹介します。
1.迷ったら上位概念に戻れ!
photo credit: Storm Crypt via photopin cc
・ビジネスでは常に、「迷ったら上位概念に戻れ!」が鉄則である。
・迷ったら「結果成就」に立ち返れ!
via 最速で結果を出す人の「戦略的」時間術
プロジェクト推進の手段(戦術)で迷った場合は、目標達成のための作戦・指針(戦略)に戻り、目標達成(結果成就)を第一に考えることが結果を出すコツです。
いわゆる「仕事ができる人」というのは、良い意味で「目的のためには手段を選ばない人」が多いです。
あなたが面倒に思う手段であっても、それが目的達成の最短ルートであれば、苦労をものともせずにやってしまう人は身近にいませんか?
2.「To Do List」を書く前に「Don’t To Do List」
photo credit: Daniel*1977 via photopin cc
・「To Do List」を書く前に「Don’t To Do List」
・仕事で結果を出すためには優先順位をつけることだと認識することであり、そのためにはまず、やらなくてもよいことをきっぱりとやめるというステップを踏むことである。
via 最速で結果を出す人の「戦略的」時間術
やることに優先順位をつけることが大事なのはあなたもご存知の通りです。そして、その際に大事なことは「やらないこと」をまず決めることです。
やること全てに優先順位をつけるには、影響度や期限といった重要性を考慮する必要があって大変です。ですから「どうせやらないだろう」と思われることはばっさりと捨ててしまうことです。
あなたにもきっと経験上わかっていただけると思います。プロジェクト開始直後に「やろうと思っていた」けれども、「結局やらなくても問題なかった」という仕事はありませんでしたか?
3.自分の仕事を価業と作業に分類し、緊急度を意識
画像引用元:【7つの習慣】緊急&重要の4領域を自由自在に移動して第二領域に集中するテク | jMatsuzaki
・自分の仕事を価業と作業に分類し、緊急度を意識した優先順位をつける
via 最速で結果を出す人の「戦略的」時間術
価業とは「成果に直結する創造的な仕事」、作業とは「成果には直接つながらないこなす仕事」と著者は定義しています。(※価業は著者の造語)
仕事は価業と作業の2つから成り立っています。価業に注力するためには、まず自分の業務の1つ1つがどちらに分類されるのかを意識することが大事です。
そのためには仕事の記録をとり、後から振り返ることが重要となります。例えば私が愛用しているTaskChuteは記録と振り返りに最適なツールでしょう。
なお補足すると、価業は「企画立案などの頭をひねって知恵を出す仕事」、作業は「調査やデータ整理などの頭よりは手や労力を使う仕事」とも本書内で言及されています。
まとめ
本書ではビジネス書好きにはおなじみと思われる「SMART」「SWOT分析」「3C分析」などのフレームワークについても実践的に解説されています。
また、Kindle版であれば667円と値段も手頃なため、目標設定や課題管理についての入門書として良さそうです。(2012/12/26時点)
結果を出すための考え方に触れ、実践してみたい方におすすめです。