※わずかにネタバレ注意
「お前がそう思うならそうなんだろう、お前ん中ではな」
ネット上の煽り文句としてもよく使われるこの言葉、これは日本橋ヨヲコさんのバレーマンガ「少女ファイト1巻」の中で出てくる言葉です。
この言葉がなぜ人の心を掴むのかというと、「事実は事実であり、その解釈は各個人の主観に委ねられる」という物事の本質を突いているからだと考えます。
背景としては、メインヒロインの大石練が精神を病み、自分の姉が死んだ原因を、当時姉とコンビを組んでいたセッターが姉にボールを集め過ぎたために、姉がヒザを痛め、交通事故を避けきれず死んだのだと主張し、それに対して幼馴染の式島滋がこのセリフを発します。
(事故時の事実は物語が進むにつれて明かされます。ただ、メインヒロインだけが事実を知らされていなかったというストーリーなので、この場合ではメインヒロインを責めることはできません。)
「ザ・ワーク 人生を変える4つの質問」などの著者で知られるバイロン・ケイティも、「私たちの心を乱すのは、現実に起きていることではなく、起きていることに対する考えである」と言います。
事実を事実として受け入れず、誤った解釈をするために、私達は心の葛藤を抱え、ネガティブな感情に飲み込まれてしまうのです。
少女ファイトという作品について
少女ファイトの中では、他にも自己啓発書などでよく紹介される考え方などが、キャラクターの個性、ストーリー展開とうまく組み合わせて登場してきます。(アドラー心理学の嫌われる勇気とか)
私は、日本橋ヨヲコさんはマンガの読者達に対し、「思春期または人生における生き辛さについてどう向き合うか?」をマンガを通じて伝えたいのではないかなと、深読みしながら少女ファイトを愛読しています(笑)