うつ病

自分を大事にするとは何か?自分を大事にするとどうなるのか?

「自分を大事にしてね」

そう言われても、ぼくには長らくその意味が理解できませんでした。

うつ病になってそろそろ2年になりますが、この頃になってやっと「自分を大事にする」ということの意味と、その結果どうなるのかかがわかってきた気がします。

なぜ人は本当の自分がわからなくなるのか?

人は、自分の持っている特徴を「長所、短所」と分類して、短所の部分にあたる自分を体感するたびに自分を責めます。

しかし、本来「長所、短所」とは、その人の特徴を観察する人間(自分を含む)の主観によって決まるもの、言い換えれば「ラベル」です。

したがって、自分が長所と思っている部分が他人から見れば短所だったり、自分が短所だと思っている部分が他人から見れば長所だったりするわけです。

そんな不確かなラベルによって、自分のある特徴を「短所」と思い込み、嫌な思いをするたびに、「自分はやっぱりこういう短所があるんだ・・・」と思い込みを上書きしていくことになります。

すると、本来「すべての特徴を合わせて自分」のはずが、「気に入っている自分」「気に入らない自分」と、どんどん自分が分離されていきます。

この分離状態が進み、さらに溝が深まるほど、自己矛盾によって人はストレスを感じ、徐々に生きにくくなります。

おそらく、真面目な人や、人の目を気にしやすい人、社会的立場が弱い人ほどこの傾向が強くなり、ときに精神疾患の発病につながるのではないかと私は思います。

自分を大事にするとは、受容し、癒すこと

ぼくが今思っている「自分を大事にすること」とは、「気に入らない自分」も含めて、「今の自分を受け入れ、許し、癒すこと」です。

具体例をあげて説明すると、「効率よく物事を進められない自分が気に入らない」のであれば、「効率よく物事を進む方法を研究して短所を補う」のではなく、まずは「無条件に自分を受け入れ、許してみる」ことです。「いつもやる気がでない自分」などに置き換えてみても良いです。

「無条件に今の自分を受け入れ、許す」と覚悟を決めるとどうなるでしょう?はじめは強い抵抗感、不安などを感じるでしょうが、次第にそれが治まると、「気に入らなかった自分」を穏やかに見つめられるようになります。

自分を穏やかに見つめられるようになると、心の余裕が出てきます。

すると次に、「どうして自分は、こんな短所があると思いこんでいるんだろう?」「いつから、どんなタイミングでそうやって思うようになったんだろう?」「自分はいつから分離してしまったんだろう?」「長所や短所というラベルを剥がしてみたらどうなるだろう?」と考えるかもしれません。

こうやって、落ち着いて自分の内面を見つめることができるようになった時点で、すでに「自分を大切にしています」。なぜなら、多くの人は常に自分の外側の世界(社会、他人)に向かって目を向けることで、日々を暮らしているからです。外ばかり見て内側を見ない、これでは「いつも自分が置き去り」のまま進んでいる状態です。

自分を癒やしていくにはどうすれば良いのか?

自分を癒す方法については、感じているストレスの程度や、ストレスの原因となっている心の傷などにより、適切な方法が変わります。

しかし、多くのケースで有効なのは「呼吸を整えること」です。

人間の体は多くの自動反応(無意識の行動)を起こします。呼吸もそこに含まれますが、自分の意識で変えられるのも呼吸です。

まずは単純に、目を閉じて深呼吸をしてみるといいでしょう。深呼吸をしながら、自分の呼吸は浅く感じるか?十分に息を吐き出したり、深く吸い込んでいると感じられるか?「今、ここ」の自分の感覚に集中してみましょう。

次第に、地に足やお尻がしっかりとついている感覚、周りの音や、自分の体温などが感じられるようになると思います。その状態で自分の体を頭、首、肩、腕、手、胸、背中、腰、お腹、下腹部、太もも、足、といった順番に「自分を感じてみます」。

そのときに違和感を感じる部分があったなら、手を当ててみたり、さすってみたり、マッサージをしてみたりすると良いです。誰かにお願いして、やってもらうのもとても効果があります。身体的な疲れであれば、こんな簡単なことでかなり「癒されます」。

「今、ここ」の自分を感じることに集中できず、過去の嫌な出来事や、今起きている問題などが気になる場合は、紙に書き出してみたり、人に話をただ聞いてもらう(アドバイスはもらわないほうが良い)と良いでしょう。

モヤモヤを感じるけどうまく言葉にできない、人に話を聞いてもらっても解消されない場合などは、カウンセラーやセラピストといった心理援助職の方の力を借りるのも一つの手です。

この記事のまとめ


・人生を生き抜く過程で、人は自分にラベルをはり、自分を分離していく。
・分離した自分が、次第にストレスを生んでいく。
・自分を大切にするには、分離した自分をまず受容する。
・自分の内側に目を向け、不調の原因を探し、癒す。
・目を閉じて深呼吸することが最初の手がかりになる。

※本記事に掲載している猫の画像の著作権は shige(@shigecats)さんにあります。
※本人の許可を得て転載しています。元の画像は、画像を直接クリックするか、Shigeさん(@shigecats) – Instagramで参照いただけます。

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はま




会社員/心理セラピスト&ライフコーチ/文筆家/ゲーマー

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