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カフェインレスコーヒーの作り方を化学者視点で解説してみたよ!

最近、カフェインレス(デカフェ)コーヒーに興味を持ったので、その作り方にも興味が湧いてきました。ネットで調べてみると、考え方としては大きく2つのようです。

(1)コーヒー豆から化学的にカフェインを抽出(除去)する。(主流)
(2)カフェインをほとんど含まないコーヒー豆を生産する

コーヒー豆から化学的にカフェインを抽出する方法が主流であるということで、化学者としてより興味が湧いてきました。そこで英語のwikipediaに記載されていたカフェイン抽出(デカフェ)に関する記述を翻訳しながら、私なりの解説を加えた文章にしてみました。

Decaffeination – wikipedia

はじめに

コーヒー豆からカフェインを抽出するには、これまではベンゼン、クロロホルム、トリクロロエチレン、ジクロロメタンといった有機溶媒を使う方法が長い間使われていたようです。

しかし、安全性、環境への影響、コスト、風味などに課題があるという理由で、今は下記の3つの方法が代替手段となっているようです。

個人的な意見ですが、上記の4つの化学物質は生物に対する有毒性が高い部類なので、例えうまく除去されていたとしても、具体的な方法を知っていたら一般の人はカフェインレスコーヒーを飲まなかったのではないか?と思います。それに地球環境への負荷や、薬剤コストの高さも化学者として納得です。

1.水による抽出

まずコーヒー豆を水に浸します。水の中にカフェインとコーヒーの風味や旨味の元となる成分が抽出されるので、その水を活性炭でろ過します。

こうすることで、カフェインのみが活性炭に回収されるので、コーヒーの風味と旨味が入った水を元のコーヒー豆に戻して、強制的に乾燥します。

乾燥後のコーヒー豆がカフェインレスコーヒーとして提供されるようです。ちなみに、活性炭で回収したカフェインは捨てずに、ソフトドリンクの添加物として使ったり、カフェインタブレットなどの栄養補助食品として活用するそうですよ。

2.超臨界二酸化炭素による抽出

みなさんは超臨界二酸化炭素と聞いてピンとくるでしょうか?昔、化学の授業で習ったかと思いますが、物質は圧力や温度によって、固体・液体・気体という異なる状態に変化しますよね。

超臨界というのは、超高圧条件で加熱されることで、液体と気体の両方の性質を併せ持っている状態のことです。つまり、超臨界二酸化炭素というのは、水みたいで、空気みたいな二酸化炭素ですから、水のようにカフェインを溶かす性質と、空気のようにコーヒー豆の奥深くまで浸透する性質を併せ持っています。

具体的な方法としては、焙煎前のコーヒー豆を入れた耐圧力容器に73atm以上の圧力を加えつつ、31.1°C以上の温度に加熱した状態で二酸化炭素を送り込みます(さらっと73atmという数値がでてきましたが、これってだいたい水深7300mほどの深海の水圧と同じぐらいです。恐ろしい圧力ですね。笑)。

すると、二酸化炭素が超臨界状態となり、超臨界状態の二酸化炭素にカフェインが溶けて、97-99%のカフェインが除去されるようです。カフェインを含んだ超臨界状態の二酸化炭素を取り除いて、カフェインレスコーヒー豆の出来上がりです。

ここから個人的な意見ですが、コーヒー豆に残留した二酸化炭素はそのままにしておけば勝手に蒸発して只の二酸化炭素になって抜けるので、とても安全性が高い方法だと思います。ただ、超臨界状態をつくるための装置とコストが高額なので、カフェインレスコーヒーの値段が高い理由の1つかもしれませんね。

3.有機溶媒による抽出

酢酸エチルや、コーヒーかすから得られるトリグリセリドなどの有機溶媒を使ってカフェインを抽出する方法もあるようです。この方法は、過去に使われていたベンゼン、クロロホルム、トリクロロエチレン、ジクロロメタンなどの有機溶媒と比べて、毒性や環境負荷などが低いことから注目されているようですが、個人的にはコーヒーの風味を損なうという課題はクリアできていないように思います。

まとめ

なるほど!コーヒー豆をわざわざ水に浸したり、乾燥させたりするだけでなく、活性炭や超臨界二酸化炭素といったものまで使っていてとても手間がかかってますね!こりゃカフェインレスコーヒーが高いわけだ(笑)

↑私は今、このカフェインレスコーヒーを飲んでいます。カフェインレスはおいしくないと聞いていましたが、実際に飲んでみると普通にコーヒーの味でした。ちなみにこの商品は、超臨界二酸化炭素法でカフェインを抽出しているようです。

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会社員/心理セラピスト&ライフコーチ/文筆家/ゲーマー

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